どんなことがわかるの?医師に聞く、脳ドック・肺ドックのすすめ

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身体のすみずみまで総合的な検査を行うことで、知らぬ間に進行してしまう、がんの早期発見や動脈硬化など生活習慣病予防につながる人間ドック。検査時間もそれなりにかかるために、なかなか習慣化できないものですが、特定の検査項目だけを受けていただくこともできます。なかでも最近注目されているのは「脳ドック」や「肺ドック」です。CTやMRIのような高度な医療機器を使い、レントゲン検査ではみつけにくいものが確認できます。ここでは「脳ドック」や「肺ドック」について、人間ドック専門クリニック「内幸町診療所」村岡由美子医師に、それぞれの特徴をうかがいました。

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脳ドック・肺ドック:「脳ドック」のすすめ

●MRI・MRAのすごいところ

MRIは強力な磁石である筒状の装置の中に横たわり、磁気共鳴という物理現象の応用により頭部の断面を画像化する技術です。

MRIの磁力には0.3~3.0T(テスラ)という数値があり、この数値が大きいほどより鮮明な画像を撮影できます。内幸町診療所では3.0を導入しており、従来の数値の小さい機器と比べ、かなり細かい病変まで映し出すことができるそうです。

『自覚症状もないミリ単位での脳出血、脳腫瘍、脳梗塞(脳内の動脈の詰まりにより血流が滞ること)などがMRIでの検査でみつけることができます。血管の細かい閉塞や狭窄(狭まり)、動脈瘤(血管壁が弱くなった部分のふくらみ)などもみつけられます。とても鮮明に見えるため、放射線科の医師・専門技師と相談のうえ、適正な診断を心がけています』 と話す村岡先生。

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また、MRIで撮影した脳の血管の様子を立体画像として映し出したものが、頭部MRA(磁気共鳴血管造影)です。レントゲンは血管の撮影のため造影剤を注入する必要がありますが、MRAであれば患者に負担なく鮮明な立体画像を映し出します。 さらに、MRAによる頸部撮影で首の血管をみることも大切で、頸部にできた血栓が脳に達する前に発見・処置できます。

放射線を使用しないため、MRIはペースメーカーなど身体に機器をつけている人以外、安心して受けられる利点があります。ただし、20分ほど検査時間がかかります。

015 「内幸町診療所」で導入されているドイツ・シーメンス社製 3T(テスラ))MRI装置 MAGNETOM Spectra 224AABZX00032000

●脳ドックを受ける適正年齢とは?

では、脳ドックを受診するべき「適正年齢」はあるのでしょうか。村岡先生によると『明確な規定はありませんが、中高年の方、50歳を越える方には受けていただきたいですね。身体のしびれや頭痛などの自覚症状がある場合、もの覚えがよくないなど認知機能に疑いをもったならば何歳であっても受けてください』とのこと。脳ドックは受診後に異常所見がみられず自覚症状もなければ、金額面での負担も考慮して3〜5年ごとの受診をすすめているそうです。

●脳卒中を経験した人が家族にいる場合は受けるべき?

何らかの病気が脳ドックで発見された人の傾向については、『すでに何か疾患を抱えている、喫煙歴、肥満傾向、脳卒中を家族が患った経験があるかなどが関係してきます。男女差は少ないです』ということです。 脳卒中は、くも膜下出血(脳の表面での出血)、脳出血(脳内で出血すること、脳いっ血とも呼ぶ)、脳梗塞(脳の動脈の詰まりにより血流が滞ること)の総称で、脳の血管に何らかの障害が起き、突然症状が発生することです。こうした病歴が家族にあるかを確認して検査を受けてみるのもいいでしょう。

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脳ドック・肺ドック:「肺ドック」のすすめ

●CT検査のすごいところ

CT検査は肺がんの早期発見に最適な、放射線を使った検査方法です。短時間で通常のレントゲン写真ではわかりにくい病変を鮮明に映し出すことができます。

●肺ドックを受ける適正年齢とは?

『脳ドック同様、こちらも明確な規定はありませんが50歳以降の方におすすめしています。喫煙歴があれば年齢の幅を少し広げ、40歳以降の方におすすめします。喫煙歴の有無が肺の疾患に大きく影響してきます。圧倒的に男性の喫煙者が多いですね。』と村岡先生。

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CT検査は、通常の胸のレントゲンと比較すると放射線の被ばく量が高いので、異常所見がみられず自覚症状もない場合には、通常のレントゲン検査を1年に1回は受け、さらに詳しい検査をしたいときにCT検査を受けるのがいいでしょう。

*今回お話をうかがった村岡先生が在籍する内幸町診療所では、検査の結果に異常所見がみられた場合、精密検査のため専門の医療機関や診療科を紹介しています。異常所見がみられない場合、今後の受診時期の相談など個別に案内を行っています。

取材協力:村岡弓美子(むらおかゆみこ)医師
2006年、日本大学医学部卒
専門は消化器内科
日本内科学会内科認定医
2015年3月現在、内幸町診療所常勤医

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